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2005/12/27

たそがれ清兵衛

たそがれ清兵衛
たそがれ清兵衛
  • スタジオ: 松竹
  • 価格: ¥ 3,990
  • 発売日: 2005/04/28
  • おすすめ度 4.38

妻に先立たれ、年老いた母と娘二人を抱えた清兵衛は、
毎日お勤めが終わると誰の誘いも断って帰ることから、
同僚に「たそがれ清兵衛」と呼ばれていた。
しかし、彼の友人の妹で幼馴染の朋江の元夫と、ふとしたことから
決闘することになり、そこで清兵衛の並々ならぬ剣の腕前が世間に知れてしまう。
そして清兵衛は命がけの藩命を受けることになり、
その日、清兵衛は朋江に髪を梳いてもらう・・・・・

清兵衛の、抑えた生き方が素晴らしいです。目立つことなく地味に、
でも確実に大事なもの、家族を守って生きていく彼の感情を抑えた無表情にはぐっときます。
舞台はどう見ても今のサラリーマン社会のある部署、の時代劇版としか思えず、
上司も同僚もまさにそんな感じで滑稽に描かれてる中、
風呂にも入れず衣服もぼろぼろ、月代も剃らず、くさいとまで言われてしまう彼は、
それでも孤高で美しい存在だった。

「壬生義士伝」が同じ時期に上映されてたけど、主人公吉村貫一郎もそんな
感じの人だったなあと思い出しながら観ていた。
主張せず、地味で、誤解もされながら、それでも家族を死んでも守る、という
熱い心を持つ男が、今もてはやされてるのだろうか。
リストラ時代でそうも出来ない、社会で頑張ってるオヤジさんたちが、
こういう映画で号泣するんだろうな、と思ったりした。今時こんないい男いないぞ。

でも、いよいよ藩命で明日人を殺さないといけない、という前夜、
清兵衛は研いだ刀を庭で構える。そのときの、真っ暗な画面の中できらめく刀の映像、
そこにぞっとするものを観ました。彼は抑えていても、やっぱり時には男として、能動的に、
誰かを守りたかったりも、するのかな。そんな風に思った。
暗闇の刀の光、すごく印象に残っている。

そして、はかない恋愛も描かれる。朋江がはじめて清兵衛の家に遊びに来た時に、
セピア色で暗かった家の雰囲気が、画面の質は何も変わってないのに、
ぱっと明るくなったのにはほんま驚いた。幸せの象徴のように、宮沢りえは美しく
笑っていました。彼女と清兵衛の、これも抑えた切ない恋。
号泣とか、泣けたとか言うより、じんじんと心がうずく、いい恋だった。

役者たちが適材適所、一人としてハズレがなかった。
主役二人はもう最高です。宮沢りえは特にほんまにキレイで、見てて切なくて、
久しぶりに映像をみた私にはとても嬉しかった。実はけっこうファンだったり。キレイやもん。
で、あと印象に残ったのが情けない大杉漣と、最後に敵役で残った田中泯って人。
敵のくせに美しかった。すごい迫力だった。

とにかくよかった。派手な展開はなんもないけど、しみじみよかった。日本人でよかった。

豆知識。
清兵衛がいる庄内の海坂(うなさか)藩とは、藤沢周平作品によく出てくる架空の藩だそうです。
モデルは庄内藩で間違いなさそう。
で、庄内藩は、幕末は佐幕派で、奥羽列藩同盟でも中心的存在だったそうだが、
時代は官軍強し。激戦の上破れたそうです。
以下、参考にさせていただきました。ありがとうございます。

江戸三百藩HTML便覧

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