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2005/12/09

ボーイズ・ドント・クライ

ボーイズ・ドント・クライ
ボーイズ・ドント・クライ
  • スタジオ: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 価格: ¥ 2,625
  • 発売日: 2002/02/08
  • 売上ランキング: 19,908
  • おすすめ度 4.38

ずっと観ようと思っていた映画で、でも前評判で「なんかえげつないで」って言われてて、
びびりながら観た。ほんまにえげつなかった。

女性でありながら、性同一性障害を抱えるブランドンは、胸をさらしで巻き、
股間にソックスを丸めて放り込み、完全に男として、女の子と恋をしていた。
そのことがばれて街にいられなくなった彼(彼女)は、遠くの街に行き、同様の格好で
仲間をみつけ、そして恋をする。相手はちょっと暗い影のある、しかし本当はとても
純粋な女の子で、彼女は彼(彼女)の透明な魅力に惹かれていくのだが、
ある日彼女の正体が仲間に知れ、そこからは痛烈な悲劇が・・・

驚くのはこれが実話だってことだ。本当にあった殺人事件を基に作られている。
そこでますます不快感が増す。しかも93年、そんなに前ではない事件だ。
そんなころでも、異質なものは排除される世の中だったのかな。
というより、ブランドンを結局殺してしまった人たちは、彼(彼女)がありのままに
生きようとするのが、妬ましかったのかもしれない、とか思ったりもする。
今でもそうだが、自分のありのままで生きるというのは、ほんまに難しい。
男とか女とか、普通だとか変だとか、いろんな先入観と固定観念が、
世の中には渦巻いていて、そこからはみ出ることには恐ろしく勇気がいって、
でも彼(彼女)はそれをやってのけたのだ。だから彼(彼女)は透明に見えたのかも。

それにしてもその世間の仕打ちはひどかった。男どもにレイプされるというのは、
彼(彼女)にしてみたら殺されるよりもつらいことだったんじゃないかな。
「所詮お前は女なんだ」ってことを、力で思い知らされてしまったわけだし、
自分の全存在を否定してしまうような出来事だと思う。私ならここで自殺するが、
それでも彼(彼女)は、愛する女性のために生きようとした。しかし悲劇は起きた。

ああやっぱりやりきれない。
唯一の救いは、彼(彼女)が女だとわかっても離れずに愛していこうとした、
ラナという女性の存在。おかげで、死ぬ間際でも彼(彼女)は幸せだったろうと思う。
それに、彼女がいなければ、この映画は辛くて観れなかったと思う。

文中、彼(彼女)のことを、彼女(彼)と書こうかと迷ったが、
より本人らしい方を先にしておいた。

それにしても、レズでもホモでもない、性同一性障害、わからないことが多すぎるなあ。
彼らはずっと、よその家の子供みたいに、落ち着かないんだろうなあ。
自分の入れ物と中身が違うという感覚。どんなんだろ。
私も男らしい(オヤジともいう)ところもあるが、かといって男になるには女々しすぎるし、
だいたいそういう問題ではないな。

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コメント

TBありがとうございます。
我々人間と言うものは自分が理解てきない事がたくさんある事を知らないものですし、まして他者の現実に対する実感が無いというか、分かろうとしないものなんだと感じます。それが一番悲しい現実ではないかと思います。

投稿: orang-u | 2006/02/08 11:11

orang-uさん
TBありがとうございました。
そうですね。自分が理解できないことはとりあえず排除してしまう、そんな弱さがありますよね。そうはなりたくないと思います。
この話が実話だと思うとほんまやりきれない気持ちになりますよね・・。

投稿: ざれこ | 2006/02/15 01:03

For you? Chloraform and strapping tape. Or a magazine. Go with the one without the federal charges.

投稿: aleve | 2006/05/17 13:35

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