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2005/12/06

ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと虎と魚たち(通常版)
スタジオ: 角川エンタテインメント
価格: ¥ 4,935
発売日: 2004/08/06
売上ランキング: 1,065
posted with Socialtunes at 2005/10/17
すっごい気になる映画で早く観たかったのに、
ツタヤのオンラインDVDレンタルで予約してもなかなかこなくて、
数ヶ月待たされました。人気があるのは知ってたけど、これだけ待てば
近所のレンタルビデオ屋で十分借りれたよねえ、とか思うと微妙。
まあいいのですが。そういうわけでやっと観ました。
原作は田辺聖子さんのかなり短い短編小説です。
それを2時間くらいの映画にしてしまうってどんな感じだろう、という興味もあり。
結論から言うと原作の方がいいとか映画の方がいいとか、そういう議論は無用な感じ。別物。
原作の味わいは残しつつ、更にふくらみを持たせて映画オリジナルの味わいになってました。
なんか、原作にとらわれすぎて単にはしょってわけわからんようになってる映画とか
今まで多かったけど、そういうことにこだわらなくていい映画が増えてきてる気がして、
いい感じですね、最近。「トニー滝谷」しかり、「きょうのできごと」しかり。
まあもともと映画と小説とは表現方法が異なるもので、とらわれるのもおかしいし
比べるのもおかしいんだけどさ。比べざるを得ない映画が多かったって意味です。

さっきから話それまくってますね。戻します。

大学生の恒夫、ひょんなことから足の不自由な女の子、ジョゼと出会います。
醒めきった口調で飄々と語るジョゼと恒夫、ジョゼのおばあちゃんが亡くなったことで
急速に近づき、つきあうことになるのですが・・・

ジョゼは足が悪くて歩けないせいで、基本的にすべてをあきらめてるんだけど、
孤独な海の底をたゆたっていたらそこに突然恒夫が現れて、
一抹の光みたいに感じられて、彼と一緒にすごす時間を大切に大切に、
でもそれがいつか終わってしまうことにもなんとなく気づいていて、
・・・・そういう空気が後半ずっと流れていて、なんかすごく切なかった。
虎をね、見に行くんですよ。二人で。恐ろしく怖い顔をした虎を見て
ジョゼはおびえきりつつ「いつか好きな人ができたら一番怖いもんを見に行こうと
思ってたんや。やっとみれたわ」といいながら、恒夫の腕をつかむ。
その姿が切なくって、なんだかなあ。
それにしてもあの虎は怖かったなあ。大事なところにいい虎が撮れてたなあ。

恒夫にとっては生涯に何人かいる彼女の一人かもしれないけど、
ジョゼにとって恒夫は一生に一人の人かもしれない。
それでも、最後にジョゼの強すぎる想いに負けてしまった恒夫をみると、
恒夫にとってもある意味ジョゼは一生に一人の人だったような気がする。
二度と取り戻せない、美しい日々。恒夫のラストの男泣きには泣きましたね。
それからジョゼのすごく早い車椅子、そして最後の料理のシーン。
凛と潔い彼女の姿にもまた涙。ラストは泣きまくりでした。

俳優陣の演技がすばらしく、妻夫木くんの自然体の演技も等身大の大学生っぽくて
若くて浅はかな感じがよく出ていていいし、池脇千鶴の作りこまれた演技は
これぞジョゼ!さすがですねほんま。あと子役時代のジョゼもよかった。いい目をしている。
あとおばあちゃん、最強の存在感。主要な役者は少ないですが適材適所でしたね。

なんかねえ、池脇千鶴が脱いだこととか、少しだけあるセックスシーンとかが
取りざたされることが多いみたいで。その生々しさは多分原作から引き継いできた
テイストだと思うけど、私はありだと思いますよ。恋愛って綺麗なことばかりじゃないし。
恐ろしく無防備な池脇千鶴の上半身ヌードがかもし出すリアルさ、
あえて生々しいラブホテルでジョゼが語る自分の孤独。
うまくいえないんだけど、そういうシーンが作る雰囲気がまたこの映画の色を
作っているような。退廃的というか、なんていうか。あーうまくいえないけど。

雰囲気作りといえば、くるりの音楽はオープニングは違和感あって不思議な感じがしたけど、
劇中音楽はすごくよかった。なんか澄んでて。今でも時折頭の中に流れてきます。
なんかそういういろんなものが融合して映画全体の雰囲気を作り上げてるんだけど
うまくブレンドされててよかった。

※原作本の感想はこちらに書きました。

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コメント

TBありがとうございました。本当に切なくて胸が締め付けられるような話でしたよね。

投稿: わかな | 2006/05/26 17:07

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