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2005/12/09

ベアーズ・キス

ベアーズ・キス スタンダード・エディション
ベアーズ・キス スタンダード・エディション
  • スタジオ: 日活
  • 価格: ¥ 3,990
  • 発売日: 2004/06/04
  • 売上ランキング: 23,224
  • おすすめ度 3.67

ある土曜日の午後、私は梅田で6時間一人で暇を潰す必要に迫られた。
となると映画を観るしかない。
別の映画を観るためにスカイビルに向かったが、その映画は時間が合わなくて、
観れる映画は「精霊流し」、そしてカナダ映画「ベアーズキス」。
ベアーズキスのポスターはオシャレなイラストで、私はその映画について全く情報がなく、
極端な話アニメか実写かすらわかってなかったのであるが、
究極の選択の末、そちらを観ることに。

というわけで私は全くの偶然でこの映画と出会った。

映画を観始めると最初のシーンだけは美しいアニメだが、あとは実写のようだ。
いきなり熊の捕獲シーンから始まり、雪山に小熊が一人残される。
そして小熊がある日少女に連れて行かれ、少女はサーカスで巡業していて、
となると「ああ、タイトルとポスターどおり熊と少女のふれあいものかあ、
それにしては雰囲気暗いけど、なんだろ」と思っていたら、
突如熊が人間になった。全裸で檻にいる男をみて、私は度肝を抜かれた。
前評判を知って観にくる人なら、そこは当然の前提で、驚くべきところではない。
だが私は何も知らなかったので、「えーそういう映画なのか?」とかなり驚いた。

と、そこまで書いてもまだ観ていない人は「でもやっぱりほのぼのとした
ファンタジーなんじゃないの」と思うかもしれないが、
決してほのぼのではないファンタジーである。

少女がものすごく孤独なのである。サーカスの楽団のところに
捨てられていた少女、母として育ててくれた人には夜逃げされ、
父として育ててくれた人は酒びたり、彼女には本当に熊しかいない。
少女は痛々しいほどの愛情で熊に接する。
少女が辛そうに「愛してる。あなただけ愛してる」と連日言っていたら、
ある日熊が人間になって現れたのだった。
そこからの二人の絆が強ければ強いほど、私はなんだかいたたまれなくて、
少女の幻想なんだか現実なんだか夢なんだかわからないその世界は、
とても哀しくて、だからこそ美しいのだった。

そういう彼らのロードムービーです。
大道芸で少女と熊がダンスを踊るシーンはしんみりしました。

少女がとても美しくて繊細で、すごく魅力的でした。
そして熊役?の人も「ああ、熊って感じ」と妙に納得してしまって
褒めてるのかなんなのかわかりませんが、味があってよかった。
あとで監督の息子と知りましたが、
齢30歳で事故でこの世を去ったそうです。ご冥福を祈ります。

なんというか、何にも知らずにふらっと映画を観るってのも、いいですね。
一から楽しめます。

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