大統領の理髪師
なんだかややこしい時代の韓国で、大統領の住んでいる町で
理髪店をしているソン・ハンモ、あるときなぜか大統領専属の理髪師に
なってしまう。かみそりで剃ったら血が出てしまって青ざめて拭いたりとか、
そういう緊張の中理髪師をやって、ちょっと有名にもなる。
そんな中、突然下痢がはやりだし、それが北朝鮮のスパイが広めたというので、
下痢になった人はスパイと接触があったと疑われ連行されるように。
そして、ハンモの11歳の息子もある日下痢を訴えて・・・・
えっと、韓国の歴史をあまり知らなかったんで今公式サイトで勉強しましたが、
皆さんも観る前に時代背景だけ読んだらいいと思います。
あとになって「おお、あの台詞にはこんな意味が」とか思うのは悔しいし。
最初の方は大笑いして見れます。小心者の理髪師が突然大統領の
髪を切ることになる、そのドタバタが品のいいユーモアとともに描かれ、
かなり笑えます。でも、息子が捕まったあたり、ハンモが道で泣いているシーンから、
突然涙なしには観れなくなります。息子のために奔走するハンモの姿は、
冷静に見たらかなりおかしいんだけど、泣き笑い、みたいになってしまう。
そしてそんな父の愛が導くラストシーンにまた、号泣です。いい映画です。
そして小心者だったハンモが、父として息子のために怒って、
理髪師ならではの仕返しを権力に対してやってのけて、
それでにやりと笑うところではこちらもにやりと。いやー小気味よかった。
なんていうか、大統領暗殺とかすごい事件を実は描いたりもするんだけど、
視点が全然庶民で、ただの一家族の視点になっていて、
そのただのお父さんが一人小さく闘う姿に、なんつうか、国民と政府との
すさまじいギャップというか、政治って結局なんだろう、みたいな
痛烈な批判が込められてるようにも読めました。
理髪師役のソン・ガンホがすばらしいです。
「殺人の追憶」で刑事やってた人なんですが、そのときとまとっている空気からして
まったく違ったので驚きました。すごい化けるし、すごい存在感。
彼がちょっと泣いたり笑ったりするだけで、こちらが号泣する羽目になる。
他の人が主役だったらまったく違った映画だったんでしょうなあ。
韓流だのなんだの言われて二枚目がもてはやされてますが、他にもいい俳優いるよね。
もうなんつうかとにかく、「すごいいい映画を観た」という手ごたえだけは、
声を大にして伝えておきます。観れる機会があったら是非。
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