トニー滝谷
この映画ができたことはだいぶ前から知っていて、
いつ公開されるんだろう、ってずっと気になってた。すごく観たかった。
村上春樹の世界観、そして宮沢りえ。
どうするんだ。どうなるんだ。すごく気になっていた。
やっと観れた、それだけでもう嬉しかった。
観る少し前に原作の短編を読んでいたのだけど、
だから余計驚いたんだけど、多分脚本は、ほとんど小説そのまんまだ。
小説をナレーションの西島秀俊が淡々と朗読し、
画面は紙芝居のように変化していく。そして時々紙芝居の人物が、
台詞をしゃべったり、朗読を変わったり。
宮沢りえの台詞で「・・・、と、彼女は言った。」なんて出てきて、
最初はちょっとびっくりするけど、慣れると不思議とそれが馴染む。
だから、役者達は台詞がかなり少ない。
彼らは紙芝居上で表情で何かを訴える。ものすごい孤独だとか、
嬉しさだとか、そういうことを。
画面もそれを訴える。たくさんの服だとか、空っぽの部屋だとか。
私は不覚にも何度も涙してしまい、あの小説が画面になると
こんなにも寂しいのか、と愕然とした。
孤独にすごしてきたイラストレーターのトニー滝谷はある日結婚する。
「孤独に慣れていたトニー滝谷は、今はこの妻といる生活がなくなったら
どうしようかと、それこそ冷や汗が出るほど怖かった」んだが、二人は幸せに過ごす。
でも。妻は洋服をとても美しく着こなし、そして、服を買い続けてしまうのだった。
どうしても服を買わずにいられない妻、不思議と洋服はそんなに出てこないが、
ただ店を歩く彼女の美しい靴がひたすらに映る。それだけで、
いかに彼女が洋服を大切にしているか、わかる。
なんていうか、過度な説明はないけど、画面だけですべてを語っているような。
そして音楽。坂本龍一のピアノの抑えた音がずっと流れていて、
多分この音がなければこの映画の魅力は半分に減っていたに違いない。
そのくらいすばらしく耳に残った。
役者は二人ともすばらしいですね。イッセー尾形は20代のころまでやってて
それはちょっとびっくりしたけど、なんつうんだろう、背中向けてるのに
ものすごく何かが伝わってくるような、すごさを感じました。
どうでもいいですが私はトロンボーン吹くんですが、トロンボーンを吹く父の役、
本当に吹いてるっぽくやってましたね。見分けつきません。・・ほんまどうでもいいな。
宮沢りえもなんかすごくよかったですねえ。ちょっとした笑顔で、
ああ今なんかすごく幸せなんだな、とかが伝わってきて。哀しくなりました。
西島秀俊のナレーションは最初淡々としすぎてて驚きますが、
なんか最後まで観てると「この声しかないな」とか思うようになってきます。
不思議な感じです。
人は選ぶ映画だと思うけど、村上春樹が好きな人なら感性にあってるんじゃないかな、
って気はします。少なくとも私はすごく好きな映画でした。
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コメント
申し訳ないです。TB重複してしてしまいました。余分な方削除お願いいたします。
僕はサントラを先に聴いて映画を見たいと思った感じですね。そのぐらいこのサントラはすばらしいと思いました。
投稿: simplicity | 2005/12/08 20:17
はじめまして。トニー滝谷、すごくいい映画でしたね。
サイドバーの好きな映画、わたしも好きなのが多いです。だから安心してレビューが見られます。
それにしてもすごい量の本と映画ですね。たくさん参考にさせていただきます。
投稿: shimako | 2006/03/06 14:07
simplicityさん、
サントラ、CD化されたら是非情報を・・。誰でもいいので入手方法教えて欲しいです。本気で聴きたいのです。・・・DVD買うしかないのかな。
shimakoさん
ご訪問ありがとうございました。
最近日本映画ばかり観ちゃってます。最近の日本映画いいですよね。雰囲気がよいのが多くて。
トニー滝谷、いい映画でしたね。あーやっぱりDVD買おうかな、と今うずうずしてきました。
投稿: ざれこ | 2006/03/08 00:25