フライ、ダディ、フライ
- フライ,ダディ,フライ
- スタジオ: 東映
- 価格: ¥ 3,990
- 発売日: 2005/12/09
- 売上ランキング: 3,892
- おすすめ度

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平日の夜、一人でふらっと映画に行くのは楽しい。
ふらっと映画をみて、帰りにちょっとウインドウショッピングをして、
デザートつきのパスタを食べて、コーヒーを飲みながら
お気に入りの文庫をひらいたり、映画のシーンを思い出したり。贅沢だ。
ましてや、観た映画がすがすがしい映画だったらなおさら。
すごくいい気分で家路につくことができた。
原作を読み期待が膨らみ、さらに映画の脚本が金城一紀本人だというので
これは期待を裏切らないはず、しかも岡田准一と堤真一、文句なし。
さらにチケットをローソンで買ったら絵本までついてくる。いいことづくしだ。
そして映画は期待を裏切らず。あーすがすがしい。
(ストーリーは原作の感想にかいつまんでますからそれを参照してください。すんません。)
原作の根本に流れるものを損なうことなく、脚本はシンプルに仕上げられている。
そういやもともと映画化ありきで原作は書かれたみたいだから、
当然といえば当然なんだけど、本でしか表現できないもの、映画でこそ
表現できるもの、そういう分け方がしっかりされている気がして、気持ちいい。
原作にはないシーン、家で一人ぼっちで犬と遊ぶ朴舜臣の姿をみせたり、
朴が怪我をした原因が違うことだったりしていたけど、そういう些細なことで
彼の孤独や弱さが浮き彫りにされて、そしておっさんとの友情も際立ってくる。
孤独な高校生とおっさんとの友情物語、そういうシンプルでストレートな
メッセージが伝わってきて、すがすがしい。
私は何度も泣きそうになってしまった。でもあざとさが全然ない、
泣かせに入ってないのに泣ける、シンプルなのに深い。そして温かい。
印象に残るシーンがいくつもあって、映像的にもみせる映画だった。
岡田准一がいい。たたずまいだけで絵になる彼、彼が「鷹の舞」を
踊っていて、それまでのモノクロシーンがカラーになって空に色がつく、
そのシーンはずっと頭から離れない。美しい。
たたずまいだけで美しいけど、はじめは冷たい舜臣の目がどんどん優しくなって、
どんどん年相応の高校生になっていく様子がわかって、ああ心を開いたんだな、と、わかる。
なんか油断してましたけど(?)すごい役者かもしれないなあ、って思いました。
岡田准一すごいかも。かっこいいだけじゃないかも。
堤真一はいわずもがな、です。弱いおっさんが強くなったのが目だけでわかる。
稀有な俳優さんですね。この二人がどーんと演技してくれるので、
それだけでも十分な見ごたえ。
でも脇にしっかりいい人たち使ってたので、にやりにやりでした。
バスがねえ。鈴木さんがトレーニングで普段乗っていたバスを追いかける、
いつもの乗客が手に汗握ってそれを見守る、すばらしいシーン、
バスの中がまた、味のある個性派俳優で占められ、彼ら一人一人に
人生を感じるわけで、そして鈴木さんの走りに彼らが元気になるのがわかる。
おっさん達が元気になるすごい映画なんですよ。これは。
そして映画ではシンプルにまとめられてましたが、ザ・ゾンビーズのメンバーもいい。
南方をやっていた松尾敏伸(「きょうのできごと」のかわちくんだよな)が
居住まいがよくって、でもカリスマ性があってぴったりでした。いい存在感。
あくまで俳優の持ち味と脚本の面白さを生かしたシンプルな映画、
でも泣いたり笑ったり私の感情の起伏はあがったり下がったり、
そして終わったあと温かくさわやかな気分で、家路につくのです。
すべてのおっさんたちへ、そして私みたいな弱い人たちへ、届けたい映画。
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