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2005/12/11

アメリカン・ヒストリーX

アメリカン・ヒストリーX
アメリカン・ヒストリーX
  • スタジオ: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2000/09/22
  • 売上ランキング: 31,775

父を黒人に殺されたショックから、極端な白人至上主義になってしまったデレク、
持ち前の頭のよさとカリスマ性から、彼等集団のリーダーとあがめられる。
ある時、車強盗の黒人を惨殺したデレクは刑務所に入り、そして変わる。

そうとは知らず彼をあがめ続ける弟ダニーは、ナチスを支持する論文を書き、
校長から書き直しを命じられていた。翌日までに書かないと退学。テーマは「兄弟」。
その日はデレクの出所の日だった。ダニーはその一晩で何を得るのか・・・

目をそむけたくなる、なるんだけどじっとみいってしまう、そんな映画だった。
白人至上主義を高らかに謳うデレクの主張は過激すぎたし、
え、こんなこと映画で言っちゃっていいの?影響与えないの?と危ぶむくらい。
アメリカの内臓にはびこる癌を、はらわた引きずり出して見せられる、そういうおぞましさ。
そういうシーンがわりと前半は続くので、なんだか辛くなった。それでも目が離せない。

そして後半。刑務所を経て、様々な人に出会い、黒人と友達になり、
人間らしさが戻ったデレクが出所してくる。
その表情にはある意味ぞっとさせられた。別人。ほんまに全然別人。
それまでのおぞましい彼では全くなかった。その目を見るだけで涙がでそうになった。
父の死を超え、許せなかった異人種たちを受け入れ、家族を愛し、
過去と決別して生きていこうとする、瞳のきれいな男になっていた。

デレクを演じたエドワード・ノートンのすさまじい演技力がこの映画を支えてる。
彼がやらなければ、こんなに説得力ある映画にならなかっただろう。

そして彼を支える弟ダニー役、エドワード・ファーロングもきれいな目をしてて、
凛とした存在感があった。彼は大事にしないと、と思うよね。
どこかでみたと思ったら、ターミネーター2にでてたな。

役者もともかく。よくぞここまで恥ずかしいところを世界にさらせたね、アメリカ、と
いう意味では、拍手を送りたい映画です。多分本当にこんな感じがリアルなんだろう。
これを観たアメリカ人はどう考えるんだろう。
そして私たちも。日本は異人種がどこにでもいる環境ではないので、差別はないなんて
勘違いしそうだけど、周りにいないだけ、根が深いはずなのです。
もっともっと考えなきゃ。
そしてあのデレクみたいに、全てを受け入れた深い瞳を手に入れないと。

と、べた褒めの映画ですが、最後が、最後がねえ・・・あーーーもう。
どうしてそうなるの。辛すぎ。辛すぎよ。
因果応報ってやつかなあ、日本的に言うと。
まあ、あれだけの過去はあっさり清算できやしないってことか。
大ハッピーエンドになっちゃうと逆にしらけてたかもしれない。わかってるんだけど、
嫌だなあ、あのラストは。私はやだよ。感情的に。哀しい。

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コメント

こんにちは。コメント&トラバありがとうございます。
こういった作品を見るとアメリカの抱える問題の根深さを痛感しますよね。
この作品を観て怒りでは誰も幸せにできないっていう真実を一人でも多くの人が知ってくれることを期待します。

投稿: クマ | 2005/12/20 23:06

クマさん
TB&コメントありがとうございます。
そうですね、重い映画ですけどたくさんの人にみて欲しい映画やなあって気がします。日本やから関係ないって話でもないと思いますしね・・

投稿: ざれこ | 2005/12/22 11:05

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受信: 2005/12/20 23:06

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