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2006/01/19

SAYURI

これ、映画化されるって発表された時からもう何故かすんごい気になって、
原作も早々に読んで、早く見に行きたいってずっと楽しみにしていた。
原作読んでるんだから、たいしたことない話だってこともわかってたんだけど、
やっぱり私も日本びいきなのかねえ。オリンピックでつい日本を応援しちゃう気持ちと
通じるモノがある。これだけの日本人達が出てる、しかも日本の芸者映画が
ハリウッドで作られる、って事実だけで、わくわくしてたんだと思う。
で、映画を観て夢から醒めた、って感じ?

やっぱり日本認識はたくさん間違ってた気がする・・・。
同じ間違ってる、でも「キル・ビル」はあえてわざと間違いまくってるから、
あれはあれでいいのよ。
でもこれはなんか大まじめに間違ってるからなあ。
ボケて笑いをとろうとしてる人につっこむのは簡単だけど、天然ボケ(しかもまじめ、
しかも痛い)の人につっこむのって勇気いるじゃないですか、マジギレされそうだし、
こっちもしらける、みたいな。そんな気分。

まずかき氷はコーンでは食わん!と上映中に内心激しくつっこんでたんだが、
あとで写真集を立ち読みすると、あれはコーンではなかった。
なんか、団子とかをくるんでる、茶色の木のようなもの。それをクレープくるむみたいに
くるくると巻いて、そこにかき氷。水分たれるって。絶対無理やって。
時代考証は確かか?ほんまにそんなことしてたのか?誰もつっこまなかったのか?
他にも、友達が気づいたことだが、「神社でお賽銭入れてシャンシャンってならす時、
シャンシャンじゃなくてゴーンって鳴ってたよ。除夜の鐘みたいなん。びっくりした」
だそうで、なんか「間違いを探せ」状態になってる。

まあそういう些細なことは目をつぶる、にしても、言葉が変だ。
人物達は、どうでもいいところでは日本語を喋って、主要人物で会話を始めると
とたんに英語になるのだ。桃井かおりだって、誰かどうでもいい人がやってきたら
「ご苦労さん」と言い、すぐに幼少のさゆりをじろじろ見て「Country girl」とコメント。
で、桃井かおりはずっとみんなに「おかあさん」と呼ばれる。
片言で「オカアサン」って。固有名詞じゃないんだからさ。「mother」って呼んだら
おかしな立場なのはわかるけどさ。それでも呼んでおけばいいやんか。英語で。
とにかく英語と日本語が混じるのが気持ち悪くてしょうがない。
どっちかに統一しないとおかしいって。英語なのは覚悟して見てるんだから、
全編英語だったらここまで言わないんだけどさ。混ぜるな。

日本人女優を抜擢して日本語でやるべきだったよねー。チャン・ツィイーなんかを
主役に据えるからそういうややこしいことになるんだよなあ。
(単にチャン・ツィイーが嫌いなだけなんだけどね、私の場合)
東洋人はみんな一緒、って考え方やめろよ、アメリカ人め。それから英語は世界語と思うなよー

英語で面白かったと言えば、男爵は「バロン」って呼ばれてます。
どうみても日本のいやらしいおっさんやのに、「バロン」って・・・!と
そこはツボはまってしまいました。みんなまじめに言ってるからおかしいわ。
そのバロンがまた、さゆりに悪さするんだわ。帯がほどけて「あーれー」みたいな
シーンまであってねえ。コントかと思ったわ。いや、大まじめなんだけど。

と、まあ細かいところでは違和感あるんだけど、よく言えば、CMの文句だった
「ニッポンが嫉妬するニッポン」ってほどじゃないけど、
架空のニッポンとしてみたら案外いいかもしれない、って思う部分もある。
衣装は綺麗、風景は過剰に演出された紅葉や桜のある光景がやけに色鮮やかで
詫び寂びにはほど遠い自然風景が多かったけど、素直に美しいって思えるシーンが
多かった気がします。映像と衣装の力で、架空の色鮮やかな日本ができあがってる、
それは評価していいと思う。

そして肝心のストーリーなんだけど、私は原作を読んでるが、その原作に忠実に
描かれてる印象だった。上下巻の長いストーリーをうまく脚色し、
緩急がついてて見せ場の多い展開になってて、だれず、飽きずに見られた。
最後の展開が急な上に「なんやそれ」って言いたくなる展開なんだけど、
それもねえ、原作通りなんですよね。原作も唐突に終わっちゃって同じ感想を
持ったもんだから、そこに文句を付ける気はないけど・・・。

ここも日本的ではないんだなあ。勝ち組の映画なんですよね。
日本人が原作や脚本を書いてたら、ここまで完全に勝たせたりしないと思うんだよね。
判官贔屓じゃないですか、日本人。例えば明らかに負けちゃったおカボとか、
延さんとかね、負けたとたんに出番なしかよ。普通は負けた側の立場にも
たってみたり、そっちに重点置いて描いてみたりすると思うけど、初桃だけでしょ、
それが描かれたのって。あとはひたすら勝ってる人の話。
なんかすごくアメリカ的やなあ、って思ってしまった。ちょっと興ざめだよなあ。

でも初桃と豆葉とさゆりの女の闘いはドラマとして面白かったし、
各女優さんが綺麗で迫力ある演技をしてたので、見応えがありました。
チャン・ツィイーはどうも鼻につくけど、コン・リーがすごく良かった。
綺麗だし、退廃的だし、美しい花となって咲いてそして散っていく哀しい女の性を
すごく感じました。やっぱり、私も判官贔屓なんでしょうね。
しかしよく見ると上で挙げた三人とも、「2046」に出てた女優さんなんだなあ。
アジア代表かあ。日本もがんばれ。桃井かおりよかったけどね。英語喋ってる以外は
全くいつもどおりの桃井かおりで、でもアジア女優を相手にひけをとらない存在感。

男性陣は・・・渡辺謙はただのさわやかなおじさんでしかなく、
演技力もなにも必要ない役で気の毒でした。別に、誰でもええやんって役で残念。
代わりに役所広司の方が複雑な人間を演じていて流石の演技でしたが、
でも脇役、ただの狂言回し。あーまだまだ日本人ってこうなのね、脇役なのね・・みたいな。
でも「めがねで七三分け」の日本人しか出てこなかった昔に比べたら、
画期的なことだとは思いますけど。今後も活躍して欲しいな、二人とも。

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コメント

>まずかき氷はコーンでは食わん!と上映中に内心激しくつっこんでたんだが、
あとで写真集を立ち読みすると、あれはコーンではなかった。
なんか、団子とかをくるんでる、茶色の木のようなもの。それをクレープくるむみたいに
くるくると巻いて、そこにかき氷。水分たれるって。絶対無理やって。
時代考証は確かか?ほんまにそんなことしてたのか?誰もつっこまなかったのか?
他にも、友達が気づいたことだが、「神社でお賽銭入れてシャンシャンってならす時、
シャンシャンじゃなくてゴーンって鳴ってたよ。除夜の鐘みたいなん。びっくりした」
だそうで、なんか「間違いを探せ」状態になってる。

あれは竹の皮ではないでしょうか?実際に当時あったのでは?もし創作して作ったとしたら反対にすごいと思います。
ゴーンはそこが寺なので問題無いです。前の場面が伏見稲荷神社の千本鳥居だったので勘違いしている人が多いようですが。すぐその後に正面から映した映像が出てきますが明らかに寺ということが判ります。千代の祈る時の動作や叩く動作を見ても明らかです。原作の愛読者でチャン・ツィイーのファンでもあるので4回見ました。特に映像(女優陣も)の美しさと音楽は最高だと思います。

原作自体あまりドラマチックではないですね。芸者の生活や習慣などを詳細に描いたところが欧米人に受けたのだと思います。教養小説的要素が強いと思います。

投稿: よし | 2006/01/19 16:01

よしさん
ああそうか竹の皮ですか。映像ではコーンにしか見えなかったんで笑っちゃってたんですが、実際そうやってかき氷食べてたんですかねえ。水さえもれなかったらおかしくないですもんね。
で、あれはお寺なんですね。神社だと勘違いしてました。ご指摘ありがとうございます。バカな指摘ばっかりしちゃってますね、私ったら。

そうそう、書くの忘れていましたが音楽は最高に合ってましたね。映像美と音楽でステキな世界を繰り広げてたと思います。

投稿: ざれこ | 2006/01/19 16:30

お久しぶりです。最近フロリダからニューヨークに引っ越してきたsimpです。
このSAYURIですけど、まだ見てないんですけど、こっちではすんごい評判悪いっすよ。
自分はなんかこの映画日本の誤解映画になるような嫌な予感がしていたのでDVD出るまでとっておく事にしました。
ざれこさんの記事読んであぁやっぱりなーと言う感じでした。だってチャン・ツィイーですもん。
芸者は娼婦としか思っていなかった欧米人にはちょっと考えが変わったよみたいなことは聞きましたけど。

投稿: simplicity | 2006/01/20 14:13

初めまして!
前科4犯と申します<(_ _)>
すいません、トラックバックというものが
どういうものかわからずに
やってみちゃいました…(>_<)

投稿: 前科4犯 | 2006/01/22 11:28

1つ間違えてトラックバックしてしまったので、
申しわけないのですが、削除をお願い致します…。(>_<)ホント申しわけない。。

投稿: 前科4犯 | 2006/01/22 13:18

simplicityさん
これアメリカでも評判悪いんですか?アメリカ人は楽しんでみてるのかと思ってました。英語力の問題とかかなあ。日本でもそんなに売れた話は聞かないし、中国では上映禁止みたいですし、結局誰が愉しんだんだろう、と思うと哀しいですねえ。

前科4犯さん
はじめまして。またいつでもトラックバックにきてくださいねー

投稿: ざれこ | 2006/02/02 23:04

こんにちは。
TBありがとうございました。
いやはや、この映画を見た人は皆(私もですが)何か言わずにいられなくなるようで、そういう意味では非常に楽しめますね(笑)。私も後を引いてしまって、今頃になって原作を読んだりしています。

投稿: antoinedoinel | 2006/02/07 18:49

antoinedoinelさん
ご訪問ありがとうございます。
ですよねえ。これだけ突っ込みたくなる映画も珍しいです(笑)
私はだいぶ前に原作を読んでいて中身を知っていたクチですが、それでもいろんな意味で楽しめましたね。原作でもあのラストにはちょっと疑問でしたが、映画もやはり微妙でしたね。はい。

投稿: ざれこ | 2006/02/07 23:11

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