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2006/07/20

東京タワー

東京タワー 通常版
東京タワー 通常版
  • 価格: ¥ 5,040
  • 発売日: 2005/07/21
  • 売上ランキング: 19075
  • おすすめ度 3.5

「東京タワー オカンとボクと時々オトン」の映画化も決定しましたが(オダギリ主演って。
樹木希林って。観る気なかったのに観てしまうじゃないか)、
そっちじゃなくて、江國香織の「東京タワー」の映画化したやつ。

江國香織の本を映画化するってすごい冒険やと思う。
だって、何も起こらないことが多いもん。不倫だのいろいろしてたりしても、
ただずっとその状況のまま人々は過ごし、ちょっと心が波立ったりしても
また凪いでいって、っていう変化はあるけれど、人物達は日常的に過ごしていて、
感情が高ぶることもない。ドラマがないのだ。
文章にすると、ひたひたと迫り来る不安とか切実さとかを感じて、
読むと読者の心はそれなりに波立つ。のだが、映画だとそれをどこまで表現できるのか。

だって、ほとんど何も起こらない映画って、ねえ。

二組の、年上の女性と大学生との不倫の物語。
黒木瞳と岡田准一、寺島しのぶと松本潤。キャスティング的にはしっかり原作のイメージ。
原作でも2組の対比がうまく描かれていたけど、映画も同様。
現実感の全くない黒木岡田組と、生々しい寺島松本組。黒木瞳はあの髪型とか
あの服装とか既にあの年でありえないし、岡田くんの美しさもあり得ない、
でも寺島しのぶのフラメンコ姿は案外あり得るし、松本潤の肌の荒れ方もあり得る。

そんな彼らが織りなす不倫劇は、原作ではそれでも(寺島組以外は)どろどろしないが、
さすがに映画ではそうもいかなかったのだろう、後半はお決まりのどろどろに発展、
なんだかなあ。いつかは割れてしまうけど繊細なガラス細工みたいな原作が、
ああ、こうなるか、みたいな。ただのベタな不倫劇になったのは少し残念。
やっぱり、黒木瞳演じる詩史には最後まで非現実感が欲しかったな。
美しくて純粋そうだけど、ほんまは、若い男なんかぽいって捨てるくらいの残酷さを
当然のように持ってる、そんな女であってほしかった。
それじゃあ、やっぱり映画にはならなかったってことかね。

そんなベタな不倫劇でしたが、かすかに白いもやがかかっているかのような
空気をまとった映像と、さらっとした描き方、そしてベタな喧嘩シーンにも
ちゃんとプールという舞台が用意されて絵的に印象的だし、
濡れネズミになっている岡田くんの色気といったら、もう・・・
見せ方をわかっている、下品な感じにならない描かれ方だったので、それなりに
上質気分に浸ることができました。ラストはちゃんとパリだしねー。うまいよねー。

脇役も固めてたし。珍しく二枚目役の岸谷五朗、それに母親役の余貴美子は迫力だったな。
でも岡田くんはやっぱりいい俳優さんだと改めて思いましたよ。ファンの贔屓じゃないですよ。
目の動きがすごく繊細で、線の細そうな、消え入りそうな男になりきってました。
黒木瞳といちゃいちゃしてると「触るなこら、年増のくせにー」とか
「離婚する気ないくせにおもちゃにしやがって」と本気で腹がたってくる、くらい、
感情移入しちゃいましたよ。

それにしても、どうでもいいんですけど、黒木瞳の髪型が変だったのが気になった。

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コメント

東京タワー、岡田好きとしては見に行かなくてはと、そもそも原作があまり好きじゃなかったのに映画館で見ました。余貴美子さん演じる透母が一番正常な人間だったのような気がします。あとはみんなどこか違う世界の人……。音楽と映像は綺麗だったと思うのですが。
映画館でパンフレットを立ち読みしたら、岡田さんが「この後このふたりはどうなると思いますか?」というような質問に「別れると思います」と答えていたのがツボでした(笑)

投稿: あさひ | 2006/07/20 14:08

あさひさん
そうですね。原作同様現実味がなくて。でも寺島しのぶはやっぱり生々しいかなと思ったり。
岡田さんはそんなこと言ってたんですか(笑)正直だなあ。

投稿: ざれこ | 2006/07/25 23:37

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